さんせっとららばい 2   夕暮れの街/凪 ちひろ
 
また明日って
言えるっていいね
また明日って
手を振りたい

夕暮れの街
帰る場所
いつも それを 求めている

夕餉の匂い 玄関を開ける音
「ただいま」と
言いたい
いつでも誰でも
持っているわけじゃない

夕暮れの街
帰る場所
それはいつも 心の中の
誰かだったり 何かだったり
ボロボロにすり切れた 夢だったりする

小さな音が あふれている
わたしもその一つでしかない
だけどわたしの音が
何かの音楽を作っていて
それをどこかで誰かが聞いているとしたら
わたしはわたしを やめるわけにはいかないね

帰りたい 帰りたい
いつだって その場所へ

夕暮れの街
わたしの帰る場所

いつも求めている
その場所
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