そんなくらげ/
灰泥軽茶
いつも私を見ているくらげは
どうしてそんなに嘘をついてばかりいるのかと
鈍く光る
私の中の嘘を全て吐き出してしまったら
なにが残るのだろうか
うすうす気づいてはいるのだけれど
それが怖くてたまらないから
両手少し丸めて表に差し出し
目をつむり
とりとめもないくらげを浮遊させ
はじめは気持ちがよいんだけどなぁと
鈍い光を眺めながら後悔する
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