存在の永遠/
吉岡ペペロ
今夜を歩くひとはみな
まあるい月を見ているのだろうか
月のまわりには黄がにじんでいる
そこを小さな点滅が過ぎてゆく
何十年もまえに始まったことを
証明するかのようなまあるい月
ぼくらにはもう見えない光を浴びて
この街に天体を住まわせてくれている
そしてこの街も天体のひとつの相なのだ
繰り返されるからくり
何十年もまえに始まったことが
ぼくらのすぐそばで
存在の永遠をものまねしている
今夜を歩くひとはみな
それをどこかで感じているのだろうか
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