残/AquArium
 
悲しいくらいに突き刺さる
鋭すぎる神経の先っぽ
丸みをおびて
いつでも笑っていたいのに
 
 
心が身震いする瞬間に
目に浮かぶのは同じ顔で
それだけでもう答えは出ているのに
別の答えを探し出そうとする
 
 
最近やたらと機嫌の良いあの人の
似つかわしい絵文字がやけに歯痒い
取り繕うように飾り立てた言葉の重みを
知っているんだ、実は
 
 
演じるなら
演じきらなきゃ
微笑みかける資格もないね
グラスの中の氷が響く
 
 
甘ったるいカルアミルクを
珍しいねと呟きながら作る
鏡に映る遠い影しか
見つけられない、苦い
 
 
気づかなくて
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