神の冠/yamadahifumi
 
凍った透明な霧雨群に

開け放たれた野良達がついていく・・・

俺のすぐ後ろを通る軍隊達は

今見知ったばかりの奴らのようだ・・・

神は皇后を讃えるために地上に赴き

その白い額に冠をこしらえた

皇后は笑いをこらえるためにガムを噛みながら

明日のテレビ欄を想起していたのだが・・・

俺はもうすぐ二十歳の暮れ・・・

夕闇はゆっくりと降りてくる 地上に

神の冠をかたどったままに
戻る   Point(0)