時間/一 二
歩む道には
紛うこと無き痕跡が残る
何故なら草が
離れ離れなってしまう
過ごす場所には
自分以外も過ごす
何故なら石が
白くなってしまう
草の葉が
白い石に
黒い影を
投げかける
何故なら時間が
流れるから
もう読むんじゃない、見るんだ
もう見るんじゃない、行くんだ
行け
時間は休まない
時間は流転する
全ては流転し
何もかも変わるが故
何も変わらない
例え今ここで
行ないによって変化を起こし
絶望を希望へと変えたとしても
時の流れ
全ての流転が
その変化を呑みこみ
また絶望へと繋がってゆく
そこにも
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