憧れ/汰介
 
桜の葉でさえ紅く染まり

枯れて 秋は過ぎ

いずれ記憶の中で晴れ間と雲の影の陰影と重なり合い

冬はしんとした風を供にやってくるだろう

骨と皮膚を透明にする冬


油が欲しい


部屋の陰は

骨と皮膚に堪えるだろうと

からかう


透明を空に

透明を 空に



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