マグダラのマリア達/salco
こそ糾弾しない
慈悲深く寛大な養父・養母の元に
私達は返送しよう
まるで雌雄同体の微生物のごとく
聖母マリアの子宮のみに秘跡と原罪を負わせる
宗教学者や道徳セールスマン達に
私たちは排卵日のパンティーと
コンドームの先端に溜まった精液
つまり子のちょうど半身ずつを
トリニティーの御名において
郵送しよう
或いは電子顕微鏡と不妊治療の名において
百万のシャーレの中の百万の受精卵を
彼ら萎びた代理母達に
プレゼントしよう
彼らが厳然と存在すると主張するところの
それら繊細な人間をどのように
温度管理し日々育み生誕まで持って行くか
せいぜいその低劣な遺伝的手腕を
見せて頂こう
けれど私達は決して
内臓を引きずり出させはしない
決して彼ら無存在の他者には指一本
自分の臓器に触れさせはしない
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