誘拐ハーメルンの夕べ/
石川和広
楽し歌に狂いラッパをそえる
公園で
あなたわたし、
すれちがい、
やあひさしぶりと
云うには、北風に追われてわたしの信
折れようとする
もろい
もろい
ハーメルンの笛吹
わたしあなたの前より突然消え
のりこえられぬ時間
ただ
音色にごまかし
公園の外に出たい
今
わたしさみしき
訳だけで
あなた過ごせし
わたし異鳴る時差
無視し
のに
わたし
幽閉あなた
勝手な物語を
脱出させたし妄欲
音色に託し
胸がねじれたの
灯りの夕で
戻る
編
削
Point
(1)