シーズナル・フィロソフィ/桐原 真
秒針が地球儀のようなものを一周すると、
あなたは
いたずらに、ひとりごとを歌った
残像になった月曜日を憂うよりはやく、
空は、当たり前のように青みを誘って
駆け抜けてしまった
*
目が覚めるといつも
ちいさな檸檬が、床に佇んでいるよう
(フローリング
つつましい冷温
のびやかな憧憬
でも、西へと霞む朝日の儚さの方が)
昨日の面影はない
昨日や明日の概念がない日だまり
日の出と日没という永遠のなかで
わたしは
ちいさくちいさく、ひとりごとを歌う
*
平然と、
ひとりごとを一緒に歌った日々は
空白の日付となって
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