水槽部屋/山中 烏流
{引用= いっそのこと
君が死んでしまえばよかった
血生臭い、たくさんのやり取りの果てで
私が
産み落とそうとしたのは
いつか君に
捨て置かれた、壁際の
ひび割れにも似た
床に散らばった、ドライフラワーを
踏み荒らして
窓に虹が架かるよ、と
投降を
差し迫る君の声は、紛うことなき凶器で
弾け飛んだ
第一ボタンの行方を知るより
もっと
早く、唐突に
私は
背中を押された、その腕に
爪を立てて
いつの日か
死んでしまった
言葉にすらなれなかった、私たちの
産声を
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