ハッピーエンド/1/モリマサ公
 
遠い目。

チワワとかいてある大量ののぼりのたってるペットショップのわきを
白のカローラワゴンでとおりすぎながら
悲しさやさみしさを分割する作業をラテはしている。
自分が災いしかもたらさない存在という意味で。

諏訪は江北の新築マンションの窓ガラスのないへやのなかで
ラテのツイートをみてラテがまた落ちてるので電話をしようか一瞬迷う。
着るものをまちがえたのでとても寒い。
この現場の次はみなとみらいの現場に行きそのあと山梨の現場までいければ眠ることができる。
諏訪はきのうから一睡もしていない。
ラテに電話をする。

柔らかくて湿り気のある赤ん坊の肌状の空間が薄いグレー。
空の成分について考える。

ラテの携帯には末尾が22の諏訪の番号が表示されるだけで名前は登録されていない。
もしこのさきなにかあって諏訪のなまえを削除することがあったら悲しいから。
もちろん諏訪はそんなことは知らない。
「もしもし」
「もしもし」
「おーい」
「おーい」






 
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