窓辺の風/faik
ミジュリ的展開は起こり得ない
なぜなら彼女にはとうの昔に
心に決めた人が居るのだ
霧ヶ峰とかいう古風な名だが
お前より遥かに暖かな愛を歌う
三菱財閥の御曹司が
だから、窓辺の風よ
アウトサイドの住人よ
ここは男らしく腹を決め
どこか遠くの街へ、行け
このやわらかな愛の巣に
お前の入る隙などない
その想いが誠なら
もう彼女を困らせてくれるな
もう彼女を揺らしてくれるな
私をこれ以上凍えさせてくれるな
私のつま先を凍らせてくれるな
いくらお前が悲しみにくれようと
季節はまだまだ冬なのだから
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