手の鳴るほうへ/小鳥遊儚
あらきょうも学校へいかなかったの
僕を見上げて母が言う
僕はもう、あきらめられた人間だけど
飲みかけの牛乳と自分で焼いたパンだけをいただく
ありがとうお父さん
僕の電気代を稼いでくれる
ありがとうお母さん
僕のパンツを洗ってくれる
謙虚にしていれば
お腹がすいても冷蔵庫を開けられる
つっぱったり、誰かを責めたりしてはいけない
平和を愛する僕は、
こうしてコタツとネットと自由を手に入れる。
かすかな、、、僕の自由
誰からも認められない、僕の自由
だけどかみさまだけが僕をゆるす
僕は天を仰ぐ
手の鳴るほうへ
僕は行こう
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