akane/kaz.
 

月の弧を伝う滴を啜るのは、
傷だと、気づいていた、
僕が、君が、
一番濡れない陽だまりの中、
ぬるい夕焼けに、濡れた髪のように
乱れたのは、二人だけ、
何度も、記憶を呼ぼう、
扉を開けて、開けて、扉は
もうどこにもなくなって、akane、の屋上、
そしてその向こうまで、
どこも、akane、

一番濡れた、月だまりの中、プールの奥まで
浸かっていた、傷口から溶け出すのを見て
懐古する、僕たちは渇いた現実に戻って
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