akane/kaz.
 
いつのころだったか
愛を覚えたときのことだ
三日月が叫ぶ時間、
夜が、Nightが、立ち上がる眩さの瞬間に
終わってしまう微熱を
君、という声の先端は鋭く、血を流した後に
再び傷口が吸って、自分のものにしたときの
記憶、その奥で噛み締め、戻っていく、
夕焼けの時刻まで、帰っていく

見えないものを
見つめようとしていた
秋が、飽きが、身体の中で飽和する
空虚さを、抱こうともぞもぞする、虫けらたちの秋空
それ見よがしに、夕焼けに打たれた
アキアカネの群れ
秋、飽かねえ、なんて洒落てみせた僕に
バカね、と言っていた君を思い返す
重いものを、ひっくり返すみたいに

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