雲の人/殿岡秀秋
 
夏の朝
海浜へ続く道
サンダルと
ランニングシャツで歩く
道端に月見草が揺れる

雲が盛り上がっていく
形が何かに似ている


腕がのびて
腰がひろがって
口が開いて
何かしゃべる

大きな雹が降ってくる
石ころがある
道の途中の木の枝に
蛭がぶら下がっている

何かしら悩み事は
絶えることがない
終りが海につながっている道は
その半ばで
なくなることはない




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