草原色のクレヨン/灰泥軽茶
部屋で寝転がり
凹凸のある真白い壁紙をじぃっと眺めていたら
いてもたってもいられなくなり
クレヨン屋さんに走る
奥行きの広い店内には何百色ものクレヨンが
一色ずつ一本ずつ
天井まで透明な仕切りに入れられそびえている
ありったけの草原色のクレヨンを下さいと言い
わっしわっしと袋を握りしめ
スニーカーももう脱がずに
部屋に戻り床にクレヨンを広げ転がす
さあ真白い壁を草原色のクレヨンで
塗りつぶそ
力の限り塗りたくったら
窓を開けて
気持ちの良い心地の良い
風が吹くよ
塗りつぶされた草原色の壁に描かれた
ひとつひとつの線が一本ずつなびくよ
手
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