父の書斎/
日野
父さんの
大きな椅子に 身をまかせ
交わる線路
眺めてる
小さな列車
僕は乗れない
だけど僕は
トンネルじゃない
小さな列車
本棚のぼる
壁のお面の
瞳がつづく
窓からのぞく
シルエット
皆でお酒を飲んでいる
さあ皆様
おんぼろ列車に祝福を!
階段のぼる
音がして
小さな列車
消えていく
僕の名前が
呼ばれたかしら
どちらにしろ
ドアをあけても
隠しても
あなたの瞳は
すずめと同じ
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