今日はダレかと/竜門勇気
は明らかで
今僕は八歳と十二歳と十八歳の僕と
あまりにもかけ離れ過ぎてるってだけの話だ
自分の車を持ってる
もちろん免許も
行こうと思えばいける場所は増えた
僕がぼくを傷つけた話をしようか
すぐ終わるからさ
僕が覚えてる傷の話をしようか
なんでのうのうと今まで生きてこれたのか
答えてあげるからさ
恥知らずにはなったつもりだ
恥は諦めたよ
あんなもん気にしてたら世界中の木の枝に
ロープをぶら下げてまわるハメになる
今日はダレかといるつもりはなかった
今日はダレとも会わない場所に行くつもりだった
道に迷うつもりで知らない道に入っていった
八歳と十二歳と十八歳のぼくが桜の花びらでぼくを責めたてるまでは
望んで家から離れてった
家には温かい食事があって言葉があって
それで麻痺して罪を忘れてしまうんだ
そんな幻想に酔って無意味な苦行を求めてた
罪を探してるのが
誠実な生き方なんだと勘違いして
世界の中全てに自分の罪を見出そうとしていた
今日はダレかと
今日はダレかと
なんて気分じゃなかった
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