形骸の式典/村正
 
誰かだった人々が集まり
仲間入りを果たす
誰かが口にしている
今日はめでたい日だと


この町で一番偉い男が
毎年同じBGMを話す
何かを祝っている
群集もそれにならう


はみ出した者たちが
まだ自己を悪で示す
いつもと変わらぬ朝に
肩書きは変わったというのに


様式美あってこそと
飾ることで悦に浸る
幹は痩せほそり
葉は枯れ落ちるのを待つ


傾げる者はいない
意味は霧の中へ消えた
一様の同じ肩書き
一般は掟になりすます


華やかにそして愉快に
平坦にすぎゆく
抜け落ちたまま始まり
気に止まらず終わる


誰かはまだ誰かのまま


自由は背にあると知るとき
なきがらに気づく
覚悟をするそのとき
肩書きは価値をもつ
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