自我の墓標/マチムラ
 
一人占めできるだけの愛が欲しい
そうして二人閉じ籠っていたい
もしそうやっていつまでも
くだらない時を重ねたとしてその度に
涙を人肌にまで温めるだけの時間を
あなたは私に与えてくれたでしょうか
何も言えなくなる刹那に
私は私のわだかまりを埋葬し
それにささやかな名前を付けて
置き去りにするのです
それを七十年以上続けたとして
その広大な墓地を見渡した時
心に残るのは達成感ではなく徒労でしょう
そうして最期にはそれさえも
墓穴へ入れてしまうのです
自分自身と一緒に

生活のささやかさを納得するのに
努力はいらない
ただその綿菓子の様な残酷さから
目を逸らし続け
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