ひかりと水、それが映す町のすべての音/水町綜助
 
フラットな意識は
この巻いた頭に、ない



カール
巻いた
この毛先の
先に
細くともるみたいな
はるかな、声
きみの声、くるりと
巻いてる

フラットなトイレのドアがひらいて
オレンジの暖かそうなひかりが
暗い部屋の冬を、
布切れ、あの昼にほしたみたいな
そこにひろがる、染みみたいな速さで
じんわり温めるおだやかなひかり、の中で
タンポンを片手で
キスされながら
性器に入れてるきみ
かちり、となにかしら突き出される音を
小耳に挟みながら
目をひらいたまま
キスされてる
それをドアの外から
胡座をかいて真横から
フラットな目線でほおづえつ
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