新しさを知ってゆく月を美しいと詠む國で/たちばなまこと
腕をつくフォルム
眼球と二重瞼のバランス
背中に手を添えて
差し伸べるように
手のひらを奥へ傾ける
黒髪がしなり散らばる感触
床へ促す一連の流れを素描しながら
降りそそぐ熱い雨を
受けてとめてゆく
海辺に住もうか
魚が好きだからね
釣りも出来るし
夏はすぐに泳ぎにゆける
山も好きだよ
山菜採りやきのこ採り
木登りをして
丘の牧草地と一緒に
風になれるよ
草原だってあぜ道だっていい
街だって好きなんだ
どこに息をしても
眩しくて
輝いて
舞を舞うように
美しい手招きを
交換する日々よ
手が
あたたかく
ちからが灯る
くちびるが
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