ひとりじゃないクリスマス/はだいろ
 
クリスマスが三連休なんて、
いつもひとりだったぼくには、
どうでもよいカレンダーだったはずが、
今年は、
彼女が買ってくれたコートを着て、
どこかのイルミネーションを見にゆこう、
なんてことになった。

ところがぼくは、
油断したのか、のどが痛く、
コートを着ても急にさむけを感じて、
要するに、風邪を引いたらしい。

イブは、
朝から、彼女につきあって産科へゆく。
胎動がしないしないと、
心配でしょうがない顔をするので、
大丈夫だよと言ってはみても、
ぼくもつい不安だったのだけれど、
無愛想な担当医は、
タンポンをつっこんで、
はい問題なし、
ということ
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