イブ/乱太郎
 

白い粉雪が下りてきて
語りかける君からの言づけ
星の数より多くて
願い星が一瞬瞬いたのさえ
逃してしまった

君はいつも大事な事を
僕には伝えない
笑ってごまかして
掌の温もりだけ置いていく
こんなにも多く降らしているのに

今日は
クリスマス・イヴ
一緒にシャンパンのコルク抜いて
それは夢物語りでしかない
僕らの間柄

今夜だけは
雪の精になった君を受け取めよう
六角形の贈り物
大事なのは
君がいま生きていること
僕の掌で溶けていく

静まり返る街に
赤いサンタクロースが
君のつぶやきを
止むことなく降らしている

戻る   Point(12)