三日月に梯子をかけて/まーつん
三日月に 梯子をかけて
一緒に 昇っていきましょう
僕の秘蔵のワインボトル マントの裏に忍ばせて
風にあおられるトンガリ帽子を 飛ばされぬようおさえながら
夜遊び仲間の君の肩 しゃべるカラスがお供する
今夜は空の 屋根裏部屋から 二人で世界を眺めましょう
*
おいせ おいせと おや 意外と早く着いたな
やあ失礼しますよ お月様
どっこらせと さすがに息が上がるね
三日月の顎ってのは 意外と狭いな
君 もう少し奥のほうに ずれてくれるかい
そうそう 鼻のあたりに よりかかってさ
月明かりって 冷たいんだな
ドライアイスみたいに ひ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)