デリヘレル網膜/
 
 瞳と瞳を重ね合わせて宇宙人は愛し合っている。
 寄生虫よりもおそろしい孤独が彼らを近づける。

 まだ遠くない現在、ひとりでに千切れていったペンキをつなぎ合わせるために、夜の果てから、盲のふりをした女が、立ちんぼの横を通り過ぎる(渡り鳥のように)。その隙間に入り込んだめだまの声が、インターフォンを押すと、いとも簡単にアーキテクチャは増殖していった。

どこにもなにもない。

  インバラレラが響き渡ると、
 子宮(こきゅう)するきみの瞳孔が、それを組み替えていく。
  聞こえている、
 ツートンカラーのカーテンからよこしまなたくらみがきみの中を「ぺねれいと」する、

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