かたっぽ/________
 




左だけ、はいた靴下の
もう片方は
ひざの上に乗せている
今 泣いてはいない


冬が立ち止まったまま
なにか、みつけて、いいかけて、やめて、
悲しげなまなざしを隠すように笑った


くもる窓ガラスのむこう
まるくやさしく
とぼけた風景は
かわいそうに
絵に、つかまってしまったんだね


暖房の気配を
心臓の匂いを
木々が空を目指すことを
わたしが息をすることを
切ない、切ないと、哀れんでください、ねえあなた
ああ
悲しんでください
色が、だって、色が




木枯らし、間違えて
わたしまで枯らして、凍り付いてしまったの
テンポが落ちていく
それは気持ちいい
てのひら
まぶた
あしのうら
あたたかい


一秒、一秒をこぼさずに舐め取って
助かりたいのです
冬、あなたを、見殺しにしても





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