火よ、きみは花を燃やしている/かぐら
 

この雨が
クリスマスまで降りつづく
夢からさめて、おやすみなさい


明日から
二日とおくへゆく仕事
きみの背中を覚えて眠る


オレンジの光の差した深夜バス
あなたの街に
わたしはいない


「おやすみ」と近く
あなたはいなくとも
欠かすことなく告げている夜


電話だと
きみが裸で 花畑
震えていると分からなかった


たくさんの眩暈を
わたしにありがとう
きみを欠いたら大人しい日々


「おやすみ」と
猫に告げつつ天井を
ながめて猫を撫でる手止めず


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