月にみえる監視塔/朧月
 
みあげた月は
挑むように赤くて
大きいその存在は
私を押さえつける

平等なんてありはしないよ

空気よめない
私はからまわり からから
風もふく

あの月がだれかの瞳で
みはられているとするなら
こうも言えはしないか

見守られているのだと

赤く大きい月を
母のようだと唱える人がいて
私の過去がまた渦巻く

そうだね
平等なんてありはしない
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