砂の砂まで/鯉
傷めいていく、
‘メケメケ’
ベラドンナで拡大した世界はひどく渋滞し見ている、
足が、
手が、
陰だ、
影おんなが、影を落とす、
ピーターパン症候群、もう待ち針も待ち人もいない、時計の針は金で薄汚れた垢のジャムで、コントラストされている、影おんなが風になるまでだれかのきつつきは時を鳴らしている、
「おれがつうっと滑らせてしまった歯車のオイルからにじみ出す無数の錆こそがかのじょだった……、」
やがて紙が海になる、波間のたゆたうのにおんなたちは潜り込むだろうそして見つめるだろう煮えたぎる哀歓を、
砂浜だ、文字の島だ
誰もいやしない、誰かだけだ
誰かだけがそこにいる
誰かだけがそこにいる
(おれはコーンフレークを食べている、おれはコーンフレークを食べている、おれはコーンフレークを食べている、おれはコーンフレークを食べている、)
スプーンが突き立つ、
鯨の死骸が爆発してしまえば、
おんなのこたちが、断罪する。
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