無景色/船田 仰
ラムのにおいがする煙草を
隠すための香水は
離れればパイナップルだったけど
手首にあればラムだった
枯れた噴水という情景
それが
ぽっかりと浮いている情景
六限目のカーテンから漏れる
赤裸々に心を預けすぎて
きみに信じてもらえない気がする
淋しすぎないから しんじゃうわー
とかね
電話越しにもてあました特注じゃない、
きみっぽい、と、わたしっぽいが
ぶつかりあって
淋しすぎなくって
消えてしまったりする
ごうごう世界がまわって
短い吸殻を
みちばたで見つけました
年中それはそういうものだから
冬眠しなくてもいいよ
マフラーが風になびいて首をしめる
きみの首がしまっている
夢を見た
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