無景色/船田 仰
 

ラムのにおいがする煙草を
隠すための香水は
離れればパイナップルだったけど
手首にあればラムだった
枯れた噴水という情景
それが
ぽっかりと浮いている情景
六限目のカーテンから漏れる
赤裸々に心を預けすぎて
きみに信じてもらえない気がする

淋しすぎないから しんじゃうわー
とかね

電話越しにもてあました特注じゃない、
きみっぽい、と、わたしっぽいが
ぶつかりあって
淋しすぎなくって
消えてしまったりする
ごうごう世界がまわって
短い吸殻を
みちばたで見つけました
年中それはそういうものだから
冬眠しなくてもいいよ
マフラーが風になびいて首をしめる
きみの首がしまっている
夢を見た

戻る   Point(2)