テクテク/藤鈴呼
 

やっぱ 気持ち良いネ って。

革張りの
見知らぬ町の 風が

その言葉と共に
心に 住み付いた気がした

自分専用の 車を持ったら
線路沿いの 通学路を
これで 走るんダ

期待に胸を 膨らませ
ペダルを 必死に 漕いで居た
十代の頃を 思い出した

タイヤは
何処に 連れて行って 
くれるのだろう

ハンドルは
何を 求めて
切り裁いたら 良いだろう

夢だけは
あの 虹と 同じ軌跡を
描きたいな

日々 見詰める 翡翠は
純粋な 輝石だから

幾つもの 想い
かき集めながら

まだ 進める
そう 信じるしか
ないんだもの

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