白い雑音(七)/信天翁
 
剣山のかぜが
  耳翼と首すじに
    突きささる 昼さがり
ひとかげの消えた市道に
     ゆがんだかげをつくる 

小公園は昼寝していた
   砂場に放置された
     玩具のスコップ
ブランコにからまった
     縄跳びのひも 
地面に模写された
     岡本太郎の前衛画

ただ 小象のモニュメントだけは
      長い鼻を揺らしていた
         ペンキが剥げたままで         
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