春/
冬野 凪
シャボン玉割れたら春がきた
春を運ぶ春日通は空いてゐる
春まみれのスナフキンがやつてきた
春と云ふ字を書けないでゐる風の子
道を渡るとそこは春であつた
いはくつきの物件です春が蠢いてゐます
いはくつきのあの娘が春を振りまいてゐる
春と云ふ言葉は鉄火場があふ
オドオドと弱気な詩人は春嫌ひ
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