人の温もりに触れた日/マスイジュウ
 
電車での帰り道
席が空いた
座った
隣の席も空いた
オヤジが座った

そいつがもう足をこれでもかと言わんばかりに大開脚で逆ハの字
私の太ももからヒザにかけてオヤジの温もりが伝わる
ちょっと右足を内側に寄せてオヤジとの距離をとる
これでもう安心だ と思った刹那
オヤジがさらに足を広げる そして密着
な?なんだコイツは・・・と思いつつ
私はもう少し足を内側へ
するとまたオヤジは足をくっつけてくるではないか
求愛されているのか?と思いつつ
ふと足元を見ると私は
内股でモジモジしている子になっていた 

そのまま私は地元の駅まで
オヤジの温もりを感じながら
小さく座っていたのです
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