「カリヨン」+「ケロヨン」/乱太郎
 
「カリヨン」

                 乱太郎

さっきまでの淋しさは
          何処に

さっきまでのうっとうしさが
          消えていく


そばにいるのは詩集ひとり
コスモスの言葉の押し花
風が運んできて
蜜蜂になった僕ひとり

これから何処に飛んで行こうか
            涙も詰めて

これからは見えないはずはない
            いらいらも捨てて

傍に携えているのは君ひとり
遠くでカリヨンの響き
海に向かって
白い砂になろうと僕ひとり

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