谷川雁論??自己愛と自由/葉leaf
0.はじめに
詩人が、詩を知らない友人に詩を紹介する。さて、よくありそうなこの風景の中では、いったい何が行われているのだろうか?
まず、詩人は詩には価値があると考えているだろう。ではなぜ、詩には価値があるのだろうか? それにはさまざまな理由があるかもしれない。詩は人を感動させる、詩は人を共感させる、詩は物事の本質を見事にとらえてくる、などなど。だが、そういう詩の長所・美点というものは、誰にとっての長所・美点だろうか? 詩人は即座に、「あなたにとっての」と答えるかもしれない。だがそれは本当だろうか。それはまず、詩人自身にとっての長所であり美点であるのではないだろうか。つまりここにあるのは
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