ファミリーレストランサラダバー/灰泥軽茶
 
深夜のファミレスはこんなにも賑やかなのか

ドリンクバーやサラダバーではしゃぐひとたち

国道を走る車の音に混じって

「ぎゅぃん ぎゅぃん」

「しゅぃん しゅぃん」

と空間がねじまげられたような音がする

君はいつもこんなにも明るい涙を流しているんだね

向かい合って座る私たちをガラス越しにみると
暗闇にぽっかり浮かび上がり
まるで遥か遠くへ音もなく向かう宇宙船の中にいるようだ

ウエイターはコントラバスを持ち
くるくる回りながら
ウエイトレスは大きなコーヒーカップに乗り
くるくる回りながら
料理を運んでいる

「空いているお席にどうぞ」

次々と流れ込むひとたちはとても嬉しそうで
大きなメニューを広げてはにかんでいる



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