鳥の意思、それは静かに/宮岡絵美
時間がないと
あなたの声がして
水色のひかりが
瞬き続けるのが見えた
深淵を覗き込もうとする無数の眼を
ひたすらかき分けて進む
子どものような眼で
誰も知らない街へ会いにゆきたい
わたしたちは違うが故に平等であると
思うのだけれど
その意識はほんとうか
誰もが理想を隠し持っていて
そのことは驚くにはあたらない
一本の線から
たちまち拡がってゆく概念が
わたしを怯えさせ
そして支え続けている
地平に燃え拡がってゆくのだ
静かに簡潔に
意思となるだろう前提を秘めて
遠く
静かな瞬きは
やがて白く大きな鳥に変わり
我々を乗せて
ずっと淡くけぶる水平線の向こうまで
飛んでゆくのだ
http://www.eonet.ne.jp/〜tobeistodo/poemtorinoishi.html
戻る 編 削 Point(2)