彫師になりたい/榊 慧
 
俺がなんで高校進学っていうものに十五歳の時に耐えられたかというと「TATOO」があったからである。人なんていなかったし詩なんてもっと無意味だった。みなさんみたく。

中三の三学期に試験勉強は一切せず俺はサドに夢中でサドについてレポートを書いていた。高校は工業高校に行きたかったが周囲の流れでなんとなく適当な進学校を受けた。(のち、受かった。これが失敗。)
お金なんて無かったけれども千六百円する雑誌を買ったりしていた。刺青、TATOO、ピアスには興味は無かった。当時は絶対にピアスは嫌だったけど今はどっちでもいい。どっちでもない。

俺はクラスメイトっていうより学年、学校から完全に外れたところ
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