深夜の徘徊ポランスキー/
灰泥軽茶
ペットボトルで汽笛を
「ボォーボォーボボッ」と
鳴らして街を走る
電信柱は少しずつ地中に沈んでいき
麒麟の首がにょきにょき生えてくる
色とりどりの紙飛行機が
空からゆっくりゆっくり旋回しながら降りてくる
最後の一体が道路に着陸したのち
灯りは一斉に消え
青白い朝靄けのはじまりと共に
空き缶を集める老人が
自転車に空き缶をつぶした大きな袋を
括りつけられるだけ括りつけて
バランスに気をつけながら
大きな道路を消えていった
戻る
編
削
Point
(5)