ミスタイプ/餅月兎
 

ただいぬ

誰の
何の役にも立たない

ただいぬ

いつもひとり
だって珍しいから
そしてとてもありふれているから
みんなが囁き合いながら遠巻きに眺める

頼んでうまれてきたわけじゃないのにね

カンカン照りの中
何処へゆくの
ただいぬ
灼けた道
それでも息弾ませ

ただいぬ

雨の中
何処へゆくの
ただいぬ
泥はねにずぶ濡れ
尻尾はしおたれ

はらぺこが長いので
元気だったただいぬも
なんだか疲れちゃって空を眺めています


おかえり
誰かの優しさで
ただいぬの旅は終わります

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