トマトの血/
灰泥軽茶
トマトはなぜにそれほど
鮮烈に赤く染めているのだろう
緑のへたさえ惜しいほどの鮮烈さ
皮一枚隔ててみずみずしさをほとばしらせ
片手で宙に放りなげれば
それは美しく光を放ち
私には血が流れている
トマトのような鮮烈な
血が流れているのだと
思い知らされる
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