めくるハム/灰泥軽茶
 
電気を点けたまま眠る私は悪い私
そんなに暗闇が怖いのか

目を閉じると赤みを帯びた光が
明滅を繰り返しやがて意識が
闇へと落ちていく

突如の覚醒
闖入者が横切る
やかん頭で
かたっかたっと沸騰している

混沌 渦巻 深淵 

忘却 泡沫 浮遊 

ハムが一枚一枚剥がされるように

眠りから覚め
眠りから覚めを繰り返す

薄いハムは綺麗に宙を回遊している

混沌 渦巻 深淵 

忘却 泡沫 浮遊 

夜の記憶から朝の気配へ身体が反応し

朝の目覚め共に精神も覚醒する



 
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