鳥貴族の夜に/シリ・カゲル
そうやって家系図の片棒を担ぎながら
鳥貴族の新郎は
ようやくここまで歩いて来た
混迷の小仏トンネルも抜け
惨事の綾瀬バス停付近を横目に
時速4キロで迎えに来たのは
映画スクリーンのある地下室のバー
立食の会場にはすでに小皿を抱えて
近くの牧場からお株を奪いに来た
社会の構成員たち
みんな自分勝手に唾棄する
その先にある、白い光のトンネルを夢想して
スクリーンの向こうにはジェイミー・フォックス
駝鳥の姿を見なくとも
駝鳥の本質を音の符に置き換える
音楽家の役を2時間も好演し続けている
実はトランクに隠してあるんだ。
抱えきれないほどの薔薇の花束
「
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