あまりにも暗い詩/番田
ぎていく 時は いつも
具体的な希望を私たちには示さないから
短い夢を見させられていたような気がする
それは あまりにも遠く離れた 風景だった
私の影だけが くっきりと見える
雪の上に落とされた 木の形
囲炉裏の上に立ち上がる 無数の炎
そんなものを思い浮かべた
手にした将棋のコマの一つを握りしめ
次の一手を 考える
そこにあったのは 汗だくな私の姿だ
今日も 遠くに ぼんやりとした風景がゆらぐ
そして 私は 一人 歩き出すことだろう
小さな その手に 何も持たずに
私は そこから 帰ってくることなどないのだ
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