小さな計画/木原東子
 
真っ白い紙が好きだった
四つ折りにして切り離し
たくさん集めて綴じつけて
カバーに布を貼りつけた

憧れを描いて書いた
何十年過ぎても

たとえば生垣のプラン
今は構成中
東の庭はやぶからしの繁みのために
北の庭はドクダミの白い花の為に
(そこにはユキノシタも混ざってよい)

ああ嬉しい、そして何を植えよう
お茶の花が年の暮れには丸い芯をみせるように
絞りの山茶花が霜月にははらはら散るように
年の瀬に柊の花が香るように

春ともなれば
モッコウ薔薇がにぎわう黄色に
鉄線花が凛と紫に
羽衣ジャスミンが白く映え
乙女椿もぽっとピンクに
ブラシの樹も背が高
[次のページ]
戻る   Point(9)