LOVE/HATE/檸檬16g
何度も何度も。過去に縋るあたしは醜いけども、貴方が愛していたあたしはどうなのかしら。
迷宮入りした愛情の在り処を教えて。どうか、教えて。貴方しか信じないあたしを汚して、汚して。
部屋の隅、蹲る、貴方の香りが、微かにした、気がして、あたしは血まみれで踊る。
笑って、密やかに眠りにつく。
迎えの死に神が肩を落として呻くようにポツリ、と。
「こんな姿で逝くのは可哀相に。お前が愛したのはここに棲んでいた悪霊だ。」
この世に美しい愛など存在しないと、昔にお母様が云ってた。人間みたいに煩わしい感情をいくつも持っていれば、偏屈した愛が幾つも生まれ、拡がり、やがて愛は身を滅ぼすものだと、お母様は苦笑いしながら云いました。
それでも、あたしは貴方を愛して幸せでした。
(この世で一番残虐な生き物に、いつか制裁が、)
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